V2.4 新機能⑩ 32ビットHDR PNGのインポートと書き出し

Affinity Designer

ハカセ。Affinity Designer V2.4では「32ビット HDR PNGのサポートが追加」されたらしいんですけど、どういうことですか?

うむ。まずPNGとは何か、というところからおさらいしよう。

PNGとは「Portable Network Graphics」の略で、Webサイトで広く使われているラスター画像のファイル形式の一つなんだ。
ファイル名に拡張子「.png」と書かれているのがPNG画像だよ。
読み方は「ピング」でいいと思うけど、「ピン」という人もいるらしい。

ここでちょっと、PNGの特徴を知るために、おなじみのJPEGと比較してみよう。
JPEGは「非可逆圧縮」といって、圧縮時に削り取られるデータがあるので、圧縮したデータを元に戻すと画質が劣化するんだよね。
一方PNGは「可逆圧縮」といってすべてのデータを保持したまま圧縮するので、圧縮したデータを戻すときに、完全に元の姿に戻せるのが長所なんだ。ただし、元のデータをすべて保持しているから、JPEGと比べてファイルサイズがぐっと大きくなりがちなんだ。
PNGは、JPEGと同様に1600万色もの色を用いて精細な画像を表現することができるうえに、JPEGと違って背景を透明にすることもできるので、ファイルサイズを気にしなければ、とても優れたファイル形式だといえるよね。

なるほどー。そしたら「32ビット HDR」のPNGって、どういうPNGなんでしょうか?

まず32ビットPNGの説明からだけど、一つの画素についてRGB(赤・緑・青)それぞれに8ビット(2の8乗=256段階の色情報)と、透明度8ビットの合計32ビットの情報で表現されたPNG、ということになる。色は赤、緑、青それぞれ0から255までの256段階あるから256×256×256=1677万7216とおりの色表現、いわゆるフルカラーになっていて、さらに透明度も256段階で描画できるということだね。

ダイナミックレンジ(Dynamic Range)とは、一つの画素に記録できる値の幅のこと。最も明るい部分から最も暗い部分まで、再現可能な範囲のことだと思ってね。
HDR(High Dynamic Range/ハイダイナミックレンジ)とは、そのダイナミックレンジが高い、ということだから、HDR画像はハイライトからシャドウまで、従来より思いっきり幅広く豊かな階調で表現された画像、ということだね。
どのような技術でHDRを実現しているかという話には立ち入りません。説明がすごく長くなりそうだから。
Serifさんがいうには、「今回の措置によって、Google CromeでHDR表示用に画像をエクスポートできるようになりました!」ってことなので、プロ目線ではなんかいいことなんだよ。